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スリクソンZXi RKT MAXドライバー試打評価|標準とどっちが飛ぶ

スリクソンの新作ドライバー「ZXi RKT(ゼットエックスアイ ロケット)」シリーズの中で、いちばんミスに強い設計になっているのがZXi RKT MAXです。
2026年9月12日発売、価格は89,100円(税込)。
※シリーズは4モデル。MAX=曲がりにくさ最優先、標準=真ん中、LS=低スピン、TR=450ccの小ぶりヘッドです。

MAXと名前がつくモデルは、たいてい「やさしいけれど、そのぶん飛距離は少し譲る」という受け取られ方をします。
今回、標準モデルの ZXi RKT とほぼ同じヘッドスピードで計測できたので、そこが本当かどうかを数字で確かめられます。

この記事でわかること
・MAXにすると飛距離はどれだけ変わるのか
・「曲がりにくい」は数字に出るのか
・純正シャフト2本のうち、どちらを選ぶべきか
・標準モデル ZXi RKT とMAX、どちらを買うべきか

ナオ
ナオ

こんにちは、クラブフィッターのナオです
25年以上、ゴルファーのクラブ選びをサポートしています

先に結論(3球平均の実測)

  1. 飛距離は落ちませんでした。
    同じディアマナ・同じロフト10.5度・ほぼ同じヘッドスピード(標準42.7→MAX42.9m/s)で、トータル飛距離は標準241ヤードに対してMAXは244ヤード。MAXにしたから飛ばなくなる、は起きていません。
  2. 曲がり幅は確かに小さくなりました。
    フック回転の量(サイドスピン)が標準の−437に対してMAXは−377、ベンタスでは−297に対して−195。同じように打っても、球の曲がりが小さい方向に出ています。
  3. いちばん驚いたのはここ。
    ディアマナの3球はバックスピンが1,838〜2,533回転と695回転もばらついたのに、キャリーは216・217・218ヤード=差は2ヤードしかありませんでした。当たりどころが変わっても飛距離が落ちない、というのがこのヘッドの正体です。

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4モデル(MAX/標準/LS/TR)のどれを選ぶか、ロフトとシャフトの目安まで出ます。シャフトは腕前で選ぶものではなく、いま出ている弾道で選ぶものです。

質問 1 / 3

ドライバーの平均飛距離は?ランを含めた、いつもの当たりでお答えください

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ZXi RKT MAX は標準モデルと何が違うのか 違いは3か所

左がZXi RKT MAX、右がZXi RKT(標準モデル)です。

フェースの新技術「RKT FACE」やカーボンクラウンの4層構造(REBOUND FRAME)など、シリーズ共通の中身は標準モデルとまったく同じです。
そこは標準モデル ZXi RKT の試打記事で詳しく書いたので、この記事ではMAX固有の違いだけに絞ります。

ウエイトが「後ろに10g、1個だけ」=シリーズ最大の慣性モーメント

ここがMAXの本体です。
標準モデルはソールのトゥ側に4g、ヒール側に10gの2個。
つまり左右に振り分けてつかまり具合を調整する設計です。
対してMAXは、いちばん後ろに10gが1個だけ。
左右の調整はできませんが、そのぶん重心が深い位置に決まり、シリーズで最も慣性モーメントが大きくなります。

慣性モーメントが大きいというのは、ひとことで言えば「芯を外したときにヘッドがねじれにくい」ということ。
ねじれなければ、ボールスピードも方向も落ちにくい。
今回の実測で出た「スピンが695回転ばらついてもキャリーが2ヤードしか動かない」という結果は、まさにこの設計の効き目です。

ZXi RKT MAX ロフト10.5° ディアマナ ZXi-II 50 S ヘッドスピード42.9m/sで計測

計測はスカイトラック、ボールはスリクソンZスターXV。

まずは、MAXを買うゴルファーのほとんどが手にすることになる標準の組み合わせから。
ホーゼルの調整はSTD(標準)位置、ソールのウエイトも標準のままです。

スカイトラックでのデータ画像
ヘッドスピードミート率打ち出し角バックスピンサイドスピンキャリー総飛距離
1球目43.21.4710.42121-449216246
2球目43.51.4612.41838-570217245
3球目42.11.4611.42533-112218242
平均42.91.4711.42164-377217244
サイドスピン+スライス-フック

構えた感じは、MAXモデルにしては大きさはそれほど気にならず、スムーズに構えやすい。
ZXi RKT(標準)と比べるとクラウン後方が少し大きくなった形状です。
インパクトの打感は柔らかめながら前作(2025モデル)よりは弾き感があり、打音は高すぎず、おとなしすぎない適度な音量。

平均ヘッドスピード42.9m/sで、トータル244ヤード。よく飛んでいます。
ボールがフェースに乗りたわんで弾き出す感じ。初速が速いのがわかります。
フェースアングルもスクエアなのでドローヒッターの私でも左を怖がらずに振っていけます。

フェース部分の機能説明画像

バックスピン量は多すぎず少なすぎず。
1球目・2球目は、インパクトの打点がトゥ側上部に当たりました。
トゥ上の当たりは本来、フック回転が増えてバックスピンが抜け、球が失速します。
実際この2球もフック回転は−449・−570と多めで、2球目はバックスピンが1,838回転まで落ちました。
それでもキャリーは216・217ヤード。
芯に近い3球目(218ヤード)とほとんど変わっていません。
ロール設計と慣性モーメントが効いている、と見ていいと思います。

ZXi RKT MAX ロフト9.0° ベンタス TR ZXi-II 6 S ヘッドスピード43.6m/sで計測

スカイトラックでのデータ画像
ヘッドスピードミート率打ち出し角バックスピンサイドスピンキャリー総飛距離
1球目43.71.479.12629-390225253
2球目43.41.4710.5290343232253
3球目43.71.4610.32278-238221249
平均43.61.4710.02603-195226252
サイドスピン+スライス-フック

平均43.6m/sでトータル252ヤード。
ディアマナの組み合わせより8ヤード先に行きました。

ただし、ここで「やっぱり上級者用シャフトのほうが飛ぶ」と結論づけると間違えます。
ヘッドスピードが0.7m/s速く、ロフトも1.5度違うので、条件がそろっていません。
それより意味があるのは、次の2つです。

  • 左右のブレの平均が、左10ヤード → 左2ヤードになった。
    3球の内訳も、ディアマナが「左16・左13・左1」と全球が左に出たのに対し、ベンタスは「左14・右1・右7」。つかまり過ぎが消えています。
  • バックスピンが2,164回転 → 2,603回転に増えた。
    ロフトを1.5度も下げて、しかも低スピン系のシャフトに替えたのに、スピンは増えています。

ベンタス TR ZXi-II 6シャフトは先端がしっかりしています。
つかまりすぎと高さを抑えるシャフトです。
しなりが少ないので、ヘッドスピードは43m/s以上は欲しいですね。

グラフで見る① 「曲がらない」は数字に出たのか

コース上から見た打球結果データ図

6球が落ちた場所を、コースの上から見た形で置いてみました。
縦がキャリー距離、横が狙った線からの左右のズレです。
ディアマナは3球とも左側。
平均で左10ヤードです。
私はもともとドローヒッターなので、つかまる組み合わせだと左に寄るのは自然な結果です。
ベンタスは左14・右1・右7で、平均は左2ヤード。
どちらかと言うと左に行きにくい。

MAXらしさが出たのは、むしろ標準モデルとの比較のほうでした(後述します)。

グラフで見る② 当たりが変わっても、飛距離が落ちない

高さとスピン量のグラフ

バックスピンが695回転動いてもキャリーが2ヤードしか変わらない。
当たりどころが上下にブレても飛距離が落ちない、ということです。
実戦ではここがいちばん効きます。

ZXi RKT MAXは、低スピンを狙って作られたヘッドではありません。
深い重心でスピンを確保しながら、当たりどころのブレを吸収するタイプです。
いまのドライバーで「球が落ちてくる・キャリーが出ない」と感じているゴルファーとは、相性がいい設計です。

標準モデルとの直接比較 MAXは飛距離を捨てているのか

ここが今回いちばん知りたかったところです。
標準の ZXi RKT も、私が、同じディアマナ ZXi-II 50 S、同じロフト10.5度で別日に計測しています。
しかもヘッドスピードの平均が42.7m/s と 42.9m/s
0.2m/sしか違いません。狙ってもなかなかそろわない条件です。

同じディアマナ
10.5度
標準 ZXi RKTZXi RKT MAX
ヘッドスピード42.7 m/s42.9 m/s+0.2
打ち出し角12.8 度11.4 度−1.4
バックスピン2,151 rpm2,164 rpm+13
サイドスピン−437 rpm−377 rpm曲がりが小さい
キャリー216 ヤード217 ヤード+1
トータル241 ヤード244 ヤード+3

結論から言うと、MAXにしたことで失った飛距離はありませんでした。
むしろトータルで3ヤード前に行っています。
3ヤードは誤差の範囲なので「MAXのほうが飛ぶ」とまでは言いません。
言えるのは、「やさしさを取ると飛ばなくなる」という常識が、このモデルでは起きなかったということです。

そのうえで、フック回転の量が−437から−377に減りました。
ベンタスどうしで比べても−297から−195。
どちらの組み合わせでも、MAXのほうが曲がり幅が小さい方向に出ています。
深い重心と大きな慣性モーメントは、狙ったとおりに効いていました。

打ち出し角が1.4度低く出た点だけは、断定を避けます。
打点の位置や入射角でも簡単に1度は動くので、ヘッドの差と決めつけられません。

ヘッドスピードがほぼ同じという点で参考価値は高いものの、メーカーの比較試験のような厳密さはありません。

スリクソン ZXi RKT MAX ドライバーのスペック

ヘッド

ヘッド体積460cc
フェース素材VR-チタン(Super-TIX®52AFS)/鍛造
ボディ素材Ti-811/真空精密鋳造
クラウンCFRP複合(カーボン)/REBOUND FRAME 4層構造
チューニングウエイトステンレス10g(バックに1個)
ロフト角9.0度/10.5度(レフトハンドは10.5度のみ)
ライ角59度
ヘッド重量200g
クラブ長さ45.75インチ(60度法)
バランス/クラブ重量(S)ディアマナ D2・304g/ベンタス6 D3・313g/ベンタス5 D2・309g
調整機能QUICK TUNE SYSTEM(ロフト・ライ角) ※トルクレンチ別売 1,980円(税込)
発売日・価格2026年9月12日/89,100円(税込)・81,000円(税抜)

純正シャフト(○=通常生産/△=特注対応)

シャフトフレックス重さ
(g)
トルク調子9.0度10.5度
Diamana
ZXi-II 50
S50.55.3
SR48.55.4
R475.4
VENTUS TR
ZXi-II 6
S604.1中手元
SR594.1中手元
VENTUS TR
ZXi-II 5
S55.55.8中手元
SR54.55.9中手元

純正、DiamanaZXi-II 50シャフトの目安適応ヘッドスピード。
S=42〜45m/s
SR=39〜43m/s
R=38〜41m/s

メーカーの目安は適応ヘッドスピードが幅広いですが、私が実際に合わせるなら上記の通りです。

グリップはツアーベルベットラバー360(バックラインなし・50g/口径60)

スリクソン ZXi RKT MAX ドライバーの試打評価 まとめ

MAXと聞いて「やさしいけれど飛ばないモデル」と思っていたのですが、実測は違いました。

  • ディアマナ ZXi-II 50(10.5度):ヘッドスピード42.9m/sでトータル244ヤード、バックスピン2,164回転
  • ベンタス TR ZXi-II 6(9.0度):ヘッドスピード43.6m/sでトータル252ヤード、バックスピン2,603回転

同じシャフト・同じロフト・ほぼ同じヘッドスピードで比べた標準モデルが241ヤードだったので、やさしさの代償として飛距離を払う必要はありませんでした。

そして、このヘッドの本当の価値は平均値ではなくばらつきの小ささにあります。
スピンが695回転動いてもキャリーが2ヤードしか変わらない。
つまり、ナイスショットの飛距離ではなく、「ちょっと薄い当たり」のときの飛距離を守ってくれるドライバーです。
18ホールのスコアに効いてくるのは、間違いなく後者のほうです。

相性がいいゴルファー

  • 当たりどころで飛距離がバラバラになるゴルファー(このモデルの本命)
  • ヘッドスピード40〜45m/sで、球が途中から落ちてくると感じているゴルファー
  • 右への曲がり・プッシュアウトを減らしたいゴルファー
  • 大きめでどっしりした顔のほうが振り切れるゴルファー
  • 3年以上前のドライバーから買い替えるゴルファー

急がなくていいゴルファー

  • つかまりを左右のウエイトで細かく調整したいゴルファー(MAXは後ろに10gが1個だけ。左右の調整はできません。標準モデルかTRが受け皿です)
  • ヘッドスピードが45m/sを超えていて、スピンが多すぎて吹け上がるゴルファー(LSが受け皿です)
  • 小ぶりでシャープな顔でないと構えられないゴルファー(TRが受け皿です)
  • ヘッドスピード38m/s以下のゴルファー(このゾーンは、もっと軽く上がりやすい設計のドライバーのほうが結果が出ます)

「いい当たりの飛距離」ではなく「平均の飛距離」を上げたいゴルファーにとっては、シリーズの中でいちばん素直に効く1本でした。

6項目を採点して、総合89点です。
いちばん高いのは直進性4.7やさしさ4.7。いちばん低いのは操作性4.0でした。
この形が、MAXの性格そのものです。真っすぐ運ぶ仕事とミスへの強さが上に伸びて、自分で曲げる自由だけが下がっている。狙ったとおりの採点になりました。
裏を返せば、球を操る楽しさを求めるゴルファーには物足りません。そこはTRや標準モデルの担当です。

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