
こんにちは、クラブフィッターのナオです
25年以上、ゴルファーのクラブ選びをサポートしています
ユーティリティ売り場の主役は、ここ数年すっかり海外メーカーです。
でも、フィッターとして25年以上クラブを見てきた私から言わせてもらうと、今季の国内メーカーのユーティリティは本当に出来がいい。
しかも海外モデルより安く買えます。
今回比べるのは、ブリヂストンBX2HT HY、プロギアRSユーティリティ、スリクソンZXi RKTハイブリッドの3本。
どれも私が自分で打った、国内メーカーの新作です。
3本とも、狙っているのは同じゴルファーです。
ドライバーのヘッドスピード40〜44m/sで、ロングアイアンの代わりにグリーンを狙える1本がほしい中級者。
同じゴルファーを狙っているのに、3本の性格ははっきり違います。
だからこそ、選び方を間違えなければ「これだ」という1本に出会えます。
この記事の結論
- 前へ飛ばして、縦距離をそろえたい → 「プロギア RS」
- 右へのミスが怖い・高さで止めたい → 「ブリヂストン BX2HT HY」
- 左へのミスが怖い・スピンで止めたい・細かく調整したい → 「スリクソン ZXi RKT」
- 番手は3本とも4番(22度)から入るのが失敗しにくい

お店でお客さんに打ってもらうと、RSは強弾道でよく飛ぶ、BX2HTはよくつかまる、ZXiは狙えるという評価でした
自分のスイングに合わせると最高のユーティリティになりますよ
結論:3本の性格はこう違う






前へ飛ばして縦距離をそろえたい → プロギア RSユーティリティ
薄いマレージングのフェースで、弾くように初速が出ます。
打ち出しが高く、力を入れなくても球が上がる。
芯を外してもキャリーがそろうので、「番手として計算できるユーティリティ」がほしいゴルファーに。
8方向の可変カートリッジ付き。
定価49,500円
右へのミスが怖い・高さで止めたい → ブリヂストン BX2HT HY
ドローバイアス(つかまる設計)で、スライスで距離を損していたゴルファーでも、つかまった球で前へ飛ばせます。
「飛ぶ、上がる、曲がらない」。薄めに当たっても高く上がり、グリーンに落ちてピタッと止まる球が打てます。
ロフトは固定式(ウエイト8g/2gの入れ替えのみ)。
定価41,800円
左へのミスが怖い・スピンで止めたい → スリクソン ZXi RKTハイブリッド
ユーティリティにありがちな「つかまりすぎ」がなく、適度なバックスピンでフワッと浮く球。縦の距離感がそろいます。
ロフト・ライ角・フェース角を変えられるスリーブと10gのウエイト付き。
買ったあとに自分に寄せていけます。
ぶっ飛び系ではなく「狙って止める」系。
定価47,300円
安いお店はフレックスによって売り切れがあるので、買う前に在庫を確認してください。
3本とも、海外メーカーの最新ユーティリティより定価が安い設定です。
7つの軸で比べるとこうなります
| RS | BX2HT | ZXi RKT | |
|---|---|---|---|
| 飛距離性能 | ◎ 初速で前へ | ○ 高さで運ぶ | △ 飛ばすより止める |
| 右へのミスに強い | ○ | ◎ ドローバイアス | △ |
| 左へのミスに強い | ○ VENTUSなら◎ | △ | ◎ つかまりすぎない |
| 球の高さ | ◎ | ◎ | ○ スピンで浮く |
| グリーンで止める | ○ 高さで止める | ◎ スピン多め | ◎ スピンで止める |
| 調整機能 | ○ 8方向カートリッジ | △ ウエイトのみ | ◎ ロフト・ライ・フェース角 |
| シャフトの選択肢 | ○ 50〜93g | △ 標準2種 | ◎ 58.5〜96g・4種 |
◎○△は、私が3本を打った感触と各モデルの設計からの評価です。
試打した日が違うため、データの数字どうしで優劣はつけていません。
国内メーカーのユーティリティを試したお客さんの反応

飛距離性能も高いのですが、振りやすい、やさしい、簡単に上がる
ヘッドデザインもシンプルで構えやすいですね
飛距離性能:前へ飛ばすならRS、運ぶならBX2HT、止めるならZXi RKT
プロギア RS
打った瞬間に「パシッ」と乾いた音で弾き出します。
フェースはルールぎりぎりまで薄くしたマレージング鋼。
しかも1本ずつCNCで削り出しているので、「よく飛ぶ当たりのヘッド」と「そうでもないヘッド」のばらつきが少ない。
フィッターとして一番評価したいところです。
BX2HT HY
高く上げてキャリーで運ぶタイプです。
重心がかなり低いので、薄めに当たっても高さが出ます。
ロングアイアンが苦手なゴルファーにぴったりです。
ZXi RKT
あえて飛距離一辺倒にしていません。
重心をわずかに高めにしてスピンを確保した、グリーンで止めるための設計です。
飛距離だけで見ると物足りないゴルファーもいるでしょう。
でも狭いホールのティショットや、ピンを狙う2打目では、こういうユーティリティが一番頼りになります。

「何ヤード飛ぶか」より「毎回同じ距離が出るか」
ユーティリティで本当にスコアが変わるのはそこです
RSとZXi RKTは、3球の縦の距離がきれいにそろいました
左右の曲がり傾向:右が怖いならBX2HT、左が怖いならZXi RKT
ユーティリティ選びで一番大事なのは、自分のミスの方向です。
右(スライス)に行くのが怖いのか、左(ひっかけ・フック)に行くのが怖いのか。
ここで選ぶクラブが変わります。
| モデル | つかまり | こんなゴルファーに |
|---|---|---|
| BX2HT HY | よくつかまる (ドローバイアス・アップライト) | スライスで距離を損している、右に抜けるのが怖い |
| プロギア RS | クセがない (ストレートな顔) | 真っすぐ構えたい。Diamanaでつかまり、VENTUSで左を抑える |
| ZXi RKT | つかまりすぎない | 左へのひっかけが怖い。フェース上目のミスの方向ブレも抑える設計 |
試打データのサイドスピン(+はスライス回転、−はフック回転)も、この性格どおりに出ました。BX2HTはわずかにフック回転側で「全然曲がらない」ストレート弾道。
ZXi RKTはわずかにスライス回転側で、つかまりすぎない弾道です。
RSのVENTUSは、ドローヒッターの設定で打ったためフック回転が多めに出ています。
高さとスピン:高さで止めるか、スピンで止めるか
3本とも「グリーンで止まる」ユーティリティですが、止め方が違います。


BX2HT HYは、高さとスピンの両方で止めるタイプ。打ち出しが高く、バックスピンも多め。
グリーンに上から落ちてピタッと止まります。


プロギア RSは、センター重心&低・深重心で高さを出して止めるタイプ。
Diamanaは球を持ち上げてくれ、VENTUSは吹け上がりを抑えて風に負けない強い球になります。
アゲインストのパー3では、VENTUSのほうが計算できます。


ZXi RKTは、スピンで浮かせて止めるタイプ。
少し低めに出て、バックスピンで浮き上がる弾道です。
高さを重心の低さで稼ぐクラブではないので、球が上がりにくいゴルファーは#4(22度)以上のロフトを選んでください。
調整機能:買ったあとに寄せられるか
| モデル | 調整できること | レンチ |
|---|---|---|
| ZXi RKT | ロフト・ライ角・フェース角(QUICK TUNE SYSTEM)+10gのチューニングウエイト | 別売(DUNLOP共通・1,980円) |
| プロギア RS | 8方向の可変カートリッジで弾道を調整(つかまり・高さなど) | 別売 |
| BX2HT HY | ソールのウエイト(8g/2g)の入れ替えのみ。ロフトは固定 | — |


「試打で少しだけ合わなかった」「コースで使ったら少し左に行く」。
そんなとき、ZXi RKTとRSはあとから自分に寄せていけます。
一方のBX2HTは固定式ですが、そのぶん値段が一番安く、最初から「つかまって上がる」ように作り込まれています。
調整をいじるのが面倒なゴルファーには、むしろ固定式のほうが迷いません。
試打データ(4番・22度)
3本とも4番(22度)を、ドライバーのヘッドスピード41〜44m/sのゴルファーを想定して打っています。
弾道測定はスカイトラック、10球打って良かった3球の平均です。
※試打した日・ボール・シャフトが違うため、3本の数字をそのまま比べて優劣は決められません。各モデルの「性格」を見る参考にしてください。サイドスピンは+がスライス回転、−がフック回転です。
プロギア RSユーティリティ 4UT(22度)
Diamana FOR PRGR(SR)
ドライバーのヘッドスピード42m/s・飛距離220ヤードの設定
| ヘッドスピード | 打ち出し角 |
| 37.9 m/s | 16.5 度 |
| バックスピン | サイドスピン |
| 3,911 回転 | -449 |
| キャリー | 飛距離 |
| 178 y | 186 y |
打ち出しが高く、ほとんど曲がらない。縦距離がそろう
VENTUS FOR PRGR(S)
ドライバーのヘッドスピード44m/s・240ヤード・ドローヒッターの設定
| ヘッドスピード | 打ち出し角 |
| 39.6 m/s | 16.1 度 |
| バックスピン | サイドスピン |
| 3,506 回転 | -703 |
| キャリー | 飛距離 |
| 193 y | 202 y |
しっかり叩いても暴れない。吹け上がりを抑えた強い球。
▶ プロギア RSユーティリティの詳しい試打レビューはこちら👇

ブリヂストン BX2HT HY H4(22度)
Diamana BS50hⅡ(SR)
ドライバーのヘッドスピード41m/s・飛距離210ヤードの設定
| ヘッドスピード | 打ち出し角 |
| 37.6 m/s | 17.3 度 |
| バックスピン | サイドスピン |
| 5,095 回転 | -269 |
| キャリー | 飛距離 |
| 169 y | 174 y |
驚くほど上がるのに全然曲がらない。スピン多めで止まる
SPEEDER NX BS50h(S)
ドライバーのヘッドスピード43m/s・飛距離230ヤードの設定
| ヘッドスピード | 打ち出し角 |
| 38.7 m/s | 16.7 度 |
| バックスピン | サイドスピン |
| 4,896 回転 | -299 |
| キャリー | 飛距離 |
| 179 y | 185 y |
先調子で手元がしっかり。よく上がり、全然曲がらない。
▶ BX2HT HYの詳しい試打レビューはこちら👇

スリクソン ZXi RKTハイブリッド #4(22度)
Diamana ZXi-Ⅱ for HYBRID 60(S)
ドライバーのヘッドスピード41m/s・飛距離210ヤードの設定
| ヘッドスピード | 打ち出し角 |
| 38.0 m/s | 17.7 度 |
| バックスピン | サイドスピン |
| 4,649 回転 | +276 |
| キャリー | 飛距離 |
| 175 y | 181 y |
3球とも飛距離181ヤード。縦の距離感が素晴らしい
VENTUS TR ZXi-Ⅱ for HYBRID 7(S)
ドライバーのヘッドスピード43m/s・飛距離230ヤードの設定
| ヘッドスピード | 打ち出し角 |
| 39.2 m/s | 15.4 度 |
| バックスピン | サイドスピン |
| 4,864 回転 | +352 |
| キャリー | 飛距離 |
| 183 y | 190 y |
少し低めに出て、スピンで浮き上がる。コントロールの効いた弾道。
▶ スリクソン ZXi RKTハイブリッドの詳しい試打レビューはこちら👇

ヘッドスピード40〜44m/sのシャフトの選び方
3本とも、ヘッドよりも悩ましいのがシャフトです。
目安は「今使っているアイアンのシャフトの重さ」とつなげること。
ヘッドスピードは、すべてドライバーの数字です。
| モデル | HS40〜42m/s | HS42〜44m/s |
|---|---|---|
| プロギア RS | Diamana FOR PRGR SR(52g) 球が上がりきらないゴルファーに | Diamana S(61g)かVENTUS SR(66g) ふけ上がり・左が嫌ならVENTUS |
| BX2HT HY | Diamana BS50hⅡ SR(60g) クセがなく振りやすい | SPEEDER NX BS50h S(59g) 切り返しでタメが強い・リズムが速いゴルファーに |
| ZXi RKT | Diamana ZXi-Ⅱ 60 SR(60g) しなり感があり、球が上がりやすい | Diamana S(61g)かVENTUS TR 7 S(72g) アイアンが軽量スチールならVENTUS |
重さは各メーカーのシャフト単体の数字です(RSは4UT、ZXi RKTは#3装着時)。
アイアンが重めのスチールのゴルファーは、BX2HTの850GH neo(特注)、RSのスペックスチールⅢ Ver.2(特注)、ZXi RKTのN.S.PRO 950GH neoも候補です。

同じヘッドでも、シャフトを替えると別のクラブになります
RSはDiamanaとVENTUSで24gの差があり、打った印象がまるで違いました
迷ったら、今のアイアンより少し軽いくらいの重さから選んでください
スペック比較(4番・22度)
| 項目 | RS | BX2HT | ZXi RKT |
|---|---|---|---|
| 発売 | 2026年7月 | 2025年9月 | 2026年9月 |
| 番手(ロフト) | 19・22・25・28度 | 19・22・25・28度 | 17(特注)・19・22・25・28度 |
| ヘッド体積 | 127cm³ | 113cm³ | 118cm³ |
| ライ角 | 58度 | 60度 | 59.5度 |
| 長さ(カーボン) | 39.75インチ | 39.75インチ | 40インチ |
| 調整 | 8方向カートリッジ | 固定式・ウエイト入替 | スリーブ+10gウエイト |
| 左用 | なし | 販売店で確認 | #3・#4のみ |
| 定価(税込) | 49,500円 | 41,800円 | カーボン47,300円 スチール44,000円 |
| 新品の最安値 | 約3.1万円〜 | 約2.7万円〜 | 約3.4万円〜 |
なぜ今、国内メーカーのユーティリティなのか
海外メーカーの最新ユーティリティには、定価5万円を超えるモデルも珍しくありません(例:テーラーメイドQi4Dレスキューは57,200円)。
今回の3本は定価で4万円台。
新品の実売なら3万円前後から買えます。
値段だけではありません。
RSの1本ずつCNCで削るフェース、BX2HTの「つかまって上がる」作り込み、ZXi RKTのフェース上目のミスまで考えた設計。
派手な宣伝は少なくても、中身で勝負している3本です。

プロギアはいぶし銀の商品を作るメーカー
派手さより中身で勝負してくる姿勢は今作も健在です
ZXi RKTも、飛距離より構えやすさとコントロール性を重視した、通好みの実用的なユーティリティです
まとめ:あなたのミスの方向で選ぶ
| こんなゴルファー | 選ぶモデル |
|---|---|
| ロングアイアンが上がらない。縦距離がバラバラで番手として計算できない | プロギア RS 約3.1万円〜 |
| スライスで距離を損している。高く上げてやさしくグリーンを狙いたい | BX2HT HY 約2.7万円〜 |
| ひっかけが怖い。スピンで止めたい。買ったあとに調整したい | ZXi RKT 約3.4万円〜 |
よくある質問
- Q海外メーカーのユーティリティと比べて、国内メーカーのいいところは?
- A
まず値段です。今回の3本は定価が4万円台で、海外メーカーの最新モデル(例:テーラーメイドQi4Dレスキューは定価57,200円)より安く設定されています。そのうえで、RSもZXi RKTも日本製。作りの丁寧さと、日本のゴルファーに合わせたシャフトのラインナップが強みです。
- Q何番から買えばいいですか?
- A
3本とも4番(22度)がおすすめです。3番(19度)以下はロフトが立っているぶん球が上がりにくく、ヘッドスピードが必要になります。4番で距離と高さを確認してから、上下の番手を足していくと失敗しません。
- Qカチャカチャ(調整機能)は必要ですか?
- A
必須ではありません。ただ、買ったあとに「少し左に行く」「もう少し高さがほしい」と感じたときに直せるのは大きな安心です。いじるのが面倒なら、最初から「つかまって上がる」ように作られた固定式のBX2HTが迷いません。
- Qハイブリッドとユーティリティは違うクラブですか?
- A
メーカーやモデルによって呼び方が違うだけで、同じクラブです。ロングアイアンの代わりに、やさしく距離を出すためのクラブです。
各モデルの詳しい試打データは、こちらの記事にまとめています。
