
こんにちは、クラブフィッターのナオです⛳️
25年以上ゴルファーのクラブ選びをサポートしています
今回は、ゴルフクラブレビューとは少し違った切り口で、
「私自身が本気で使いたいと思ったセッティング」を正直にご紹介します。
フィッターという仕事柄、年間で数百本以上のクラブに触れ、試打を通して、性能や打感、扱いやすさなどを実際に確かめています。
その中で、「これは売れる」「これは万人向け」と感じるモデルもあれば、 「これは僕自身が使いたい」と感じるモデルも、たまに存在します。
今回は、そんな“私自身の心が動いた”クラブだけを厳選。
単体の性能にとどまらず、シャフト重量、キックポイントの整合性まで含めて、コースで本気で使いたいと思えるセッティングを組んでみました。
ドライバーとパター以外は、すべてダンロップ系列で統一。
これは偶然ではなく、「クラブ全体の顔・重心設計・つながり」に違和感がないことも理由です。
単なるレビューではなく、「クラブ選びのリアルな感覚」が伝わればうれしいです。
筆者ナオのスイング特徴
- ドライバーヘッドスピードは44〜46m/sくらい
- 平均飛距離は250ヤードくらい
- ドローヒッターで中弾道
- スイング軌道はインサイドアウトアッパー
- アイアンはターフをあまり取らず、左を警戒しながらのショットが多い
- アプローチはソールを滑らすようにインパクトするので、ハイバンスウェッジは苦手
- パターはショートが多く、ひっかけも出るので大きめヘッドでオートマチックに打ちたい
クラブ種類 | ナオのスイング傾向 | 選定理由の要約 |
---|---|---|
ドライバー | フックが嫌い・中弾道・インサイドアウト | 左に振っても曲がらない安心感 |
フェアウェイウッド | ひっかけ癖あり・飛距離、操作性重視 | シャフト剛性と構えやすさで選定 |
ユーティリティ | ラフからも使いたい・ライン出ししたい | 弾道の高さと方向性を両立 |
アイアン | ターフを取らない・左への警戒あり | 操作性重視・つかまりすぎない設計 |
ウェッジ | 幅広ソールは苦手・スピンで止めたい | MIDバンスで入射角に合いやすい |
パター | ひっかけ&ショートミスが多い | 芯が広く、バックスイングが安定 |
クラブセッティング一覧
クラブ1本1本に「性能」だけでなく、「構えた時の顔」「弾道のイメージ」「使いたい理由」があります。
このセッティングは、そんな私自身のリアルな感覚をもとに組み上げたものです。
以下に、現在の“本気セッティング”を一覧でまとめました👇
クラブ種類 | モデル名 | メーカー | 特徴の要約 |
---|---|---|---|
ドライバー | G440 LST | PING | フックが出にくく、直進性が高い強弾道モデル |
フェアウェイウッド | スリクソン ZXi | ダンロップ | FW嫌い克服。シャープでしっかり振れる |
ユーティリティ | スリクソン ZXi ハイブリッド | ダンロップ | 小ぶりヘッドで弾道コントロールがしやすい |
アイアン | スリクソン ZXi5 | ダンロップ | 顔の良さ・やさしさ・操作性が絶妙なバランス |
ウェッジ | クリーブランド RTZ | ダンロップ系 | スピン性能と抜けの良さで多彩なショットに対応 |
パター | スパイダー ツアーX ダブルベント | テーラーメイド | オートマチックに打ててショートパットに強い |
単体の性能だけじゃない、“つながり”重視のセッティング設計
ゴルフクラブは1本ずつ選ぶもの──と思われがちですが、
**「クラブ同士のつながり」や「統一感」**が実はスコアや振りやすさに大きな影響を与えます。
私がこのセッティングで重視したのは、以下の4つのポイントです👇
セット要素 | 統一ポイント | 備考 |
---|---|---|
メーカーの統一 | ダンロップ系(スリクソン+クリーブランド) | 顔・打感・重心設計の共通性がある |
シャフトの調和 | スチール/カーボンで適度な重量構成 | キックポイントを中〜手元で統一 |
ロフト設計の整合 | PW→AWで→SWでロフトピッチを最適化 | 44度→50度→56度で120ヤード内を完全にカバー |
フィーリング統一 | 打感がしっかりしていて、ブレが少ない構成 | 試打と実戦での信頼感に基づく |
それぞれの要素が連動していることで、クラブを持ち替えても違和感なく振り切れる、そんな完璧セッティングになっています。
ドライバー:PING G440 LST フックが怖くない強弾道モデル


まずは見た目、私はクラブを選ぶときはまず見た目(構えた時)から入ります。
構えた時ヘッドのクラウン部分(上部)が大きいドライバーが苦手。
最近発売されているドライバーの多くは構えた時にヘッドが大きく見え、右にすっぽ抜けそうなイメージが出てしまうんです。
G440LSTはヘッドがコンパクトに見え、ややディープフェース。
操作性が高く、好みのヘッド形状です。


性能は 直進性が高く、フックしにくいドライバーを選びたい。
とにかく、巻き球が出ることがすごく嫌いなので、安心して左に振っていけるドライバーヘッドは1番の条件に入ります。


G440LSTドライバーの純正シャフトはバリエーションが豊富で、中でも「PING TOUR 2.0 CHROME」は、私にとって抜群の相性でした。
癖がなく、手元側がグニャッとしならない振りやすさ、適度な硬さを持つピンのオリジナル純正シャフトがお気に入りです。
私はこのシリーズのシャフトを5年以上愛用しています。
(PING TOUR 2.0 CHROME 65 フレックスS)
抑えめなバックスピン量、強い弾道、そして振り抜いた時の安心感。
このモデルは、PINGドライバーの中でも「やさしすぎず、吹け上がらない」アスリートモデルにあたります。
実際の試打では、特にドローボールのライン出しがしやすく、 力を入れなくても強い球が出てくれるのが印象的でした。
低スピンで強弾道、つかまえてもフックしにくく、私にとっては最強のドライバーです。
フェアウェイウッド:スリクソン ZXi FW嫌いを克服できた1本


FWが苦手なゴルファーにこそ試してほしい、と言いたくなるモデル。
私自身も過去にFWでチーピンや飛距離不足に悩んできた経験がありますが、 ZXi FWは、その不安をかなり払拭してくれました。


打感はカチッとしたしっかりした感触、好みです。
ヘッドはブラックのマッド仕上げで大きすぎず、構えやすい。
打ち込んでよし、払ってよしのバランスのいい重心位置。
ヘッドをターンさせてインパクトしてもフックしすぎることはありません。


また、純正シャフトのVENTUS ZXi6がいい。
シャフト先端がしっかりしていて、無駄なつかまりすぎがない。
適度な硬さがあり、シャープに振り抜けます。
以前は弾道の高さと飛距離を出すために先調子系のシャフトを使っていましたが、スリクソン純正シャフトのVENTUS ZXi6フレックスSを打ってみて気が変わりました。
3W(15°)5W(18°)を採用予定ですが、 このモデルならロングホールの2打目でも3Wでグリーンを狙っていけると感じました。
ミスに対しても非常に寛容で、打ち出し角も安定。
“使ってみたい”と思える稀有なフェアウェイウッドです。
ユーティリティ:スリクソン ZXi ハイブリッド スピンが入りしっかり狙える


昔は3番アイアン、4番アイアンを使って長い距離を狙っていましたが、今ではユーティリティのやさしさにどっぷり使っています。


アイアンよりは弾道が高く、芯が広い。
ロフトバリエーションが豊富で、番手構成の自由度も高く、 現在は#4(22°)を候補に考えています。
ロフト可変式スリーブで細かい距離調整も可能。
ロースピンでドカンと飛ぶタイプではなく、バックスピンが適度に入り2打目でしっかりグリーンを狙えます。


シャフトは他のクラブ重量とのバランスを考えて、私ならNSプロ950スチールシャフトになります。
ヘッド性能で飛距離は確保、方向性はアイアンのようにラインを出して打てます。
FWからのつながりも良く、ラフからでもヘッドが抜けやすい。
スリクソンZXiハイブリッドを選ぶ1番の理由は、弾道コントロールがしやすいこと。
小ぶりなヘッドなので、振り抜けがよく、曲がりが小さい。
また、芯を少し外しても「グリーン方向へ向かってくれる」安心感があり、 セカンドショットで積極的に使いたくなるUTです。
打ち込んでもよし、薄いあたりでも頑張ってくれる、重宝します。
アイアン:スリクソン ZXi5 やさしさと操作性のいいとこ取り


ZXiシリーズの中で、もっとも“中庸”な位置にあるZXi5。
私にとっては「飛距離も出る、コントロールできる、顔がいい」三拍子そろったモデルです。
フィッターとして、そしてプレーヤーとして、 “安心して構えられる顔つき”というのは本当に大切で、 このZXi5はその点でまったく違和感がありません。


上がりやすく、打点が大きい、操作もしやすい。
以前はもう少しロフトが寝ているプロモデルアイアンを使っていたのですが、このアイアンを使うともうやめられない。
少し、つかまりが強い傾向がありますが、現時点で、私にとってもっともバランスの良いアイアンです。


シャフトは純正シャフトのNSプロモーダス105 フレックスS。
先端部分の合成が高く、手元がしなるタイプ。全体的に硬さがあります。
本当は重量的にNSプロモーダス110シャフトが採用になれば最高なのですが。
ウェッジ:クリーブランド RTZ アスリートゴルファーの強い味方


ウェッジに求めるのは、見た目もさることながら、 「スピン性能」「抜けの良さ」「打感」。
このRTXシリーズ(RTZ)は、開いても構えやすく、ロフト種類、 バンスの設計が絶妙。
転がしのアプローチショットではスピンが効いた転がりすぎない弾道で寄せワンがバンバン決まります。
ヒール側フェース下部から入れてトゥ側フェース上部にボールを乗せて打つと抜群のスピン性能を発揮。バンカーショットも砂を取る量でコントロールは自由自在。


フルショット、ピンまで30~50ヤードくらいの中距離アプローチでは、 「おさまりのいい高さとスピン量」が出せるのが魅力です。
バンス形状が選べるので、インパクトの入射角によってバンスの大きさを変えることができます。
私は50度(MIDバンス10)と56度(MIDバンス10)の2本体制。
スリクソンZXi5アイアンのPWロフトが44度なのでウェッジは6度ピッチで50度と56度。
この組み合わせで十分100ヤード以内はまかなえます。


シャフトはアイアンからの流れを考えて、少し重ためのダイナミックゴールドでセッティングします。
ウェッジは飛ばすクラブではないので、私は重いシャフトの方が安定して使いやすいのです。
パター:スパイダー ツアーX ダブルベント 安定感抜群のネオマレット

以前は大きいヘッドのパターが嫌いで、ピン型、小さいマレットタイプのパターを好んで使っていました。ヘッドが小さい方が距離感も合わせやすかったから。
しかし、最近は目も悪くなってきたせいか、ラインが読みにくくショートパットの成功確率がグンと低下していました。
そこで、オートマチックに打てるパターにしてみようと言うことで試してみたのが
「テーラーメイド スパイダー ツアーX ダブルベントシャフト」
2回ほどラウンドで使用してみたところ、ショートパットの成功率が格段にアップ。
トータルパット数は31と29。以前の平均が35くらいだったので格段の進歩です。
スコアで言えば5打も向上していますよ。
このパターは
バックスイングが安定する
以前は真っ直ぐ引けず、波打つような感じになっていましたが、このスパイダーはヘッドの重みを感じながらスッと引ける。
まるで振り子のように動くから、力まず、自然と真っすぐ、しっかり打てるんです。
インパクトの音がしっかり鳴る
柔らかすぎず、打感も「ポコン」ではなく「コンッ」って感じ。
音で距離感を掴みやすいので助かります。
芯が広く、打点ミスによる影響があまりない
打点を多少トゥ側、ヒール側に外そうがフェースが真っ直ぐ動き、方向性がブレにくい
最近のパッティングでは、「転がりの質」や「打ち出し方向」「打球音」に注目が集まっていますが、 このスパイダーツアーXはその全てを高い次元で満たしてくれるモデルです。
🏁まとめ “使いたい理由があるクラブ”だけを揃えるということ







クラブフィッターとして、日々多くのクラブに触れているからこそ、
私はクラブ選びに対して「性能」や「スペック」だけでは語れない、“フィーリング”や“納得感”を大切にしています。
今回ご紹介したセッティングは、
いずれも「飛ぶ」「やさしい」だけのクラブではありません。
私自身が “本気で使いたい”と感じた理由が、それぞれにはっきりあるクラブ ばかりです。
🔹 ドライバーは「左を気にせず、ラインを出して振り切れる」
🔹 フェアウェイウッドは「過去の苦手意識を覆してくれる信頼感」
🔹 ユーティリティは「ラフからも使える万能性と狙いやすさ」
🔹 アイアンは「顔・打感・弾道すべてにバランスの良さを感じる」
🔹 ウェッジは「操作性とスピン性能のバランスが絶妙」
🔹 パターは「迷わず打ち出せる安心感と打点ミスへの寛容さ」
そして、ドライバーとパター以外の4本を「スリクソン(ダンロップ系)」で揃えたのも、
顔のつながり・重量配分・設計思想が統一されているからこそ、安心してプレーできるという判断に基づいています。
クラブをバラバラに選ぶと、クラブごとの挙動や打感に違和感を覚えたり、番手間のつながりが悪くなったりすることもあります。
その違和感がスイングの迷いにつながり、結果としてミスショットに…。
だからこそ私は、**“道具の統一感”=“スコアの安定感”**につながると信じています。
もちろん、ゴルファーごとに体格やスイング、好みは違います。
私のセッティングがそのまま誰かにハマるとは限りませんが、
「自分もこういう考えでセッティングを組んでみよう」と思うきっかけになればうれしいです。
最後に、もう一度問いかけさせてください。

あなたが「本気で使いたい」と思えるクラブは、今どれですか?

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