「GT1 3TOUR、プロが意外と使い始めてるみたいですよ」と聞いたとき、正直私はちょっと意外でした。
というのも、GT1はそもそも“中ヘッドスピードのアマチュア向け”に設計された一本だったからです。
GT1の本来の性能はスピン量や打ち出し角が足りずに苦しんでいたゴルファーをサポートすることが目的だった。
けれど、多くのPGAツアーでも選手のバッグに入っているという話を聞くうちに、どうして“想定外のこのモデル”がプロの間で評価されているのか、気にならずにはいられませんでした。

現役クラブフィッターのナオです
25年以上ゴルファーのクラブ選びをサポートしています
その魅力は一度打てばわかりました。
GT1のやさしさでGT2のような強弾道。
シビアなセッティングで戦うPGAのツアー選手が使用するわけです。
番手 | ロフト角 | ライ角 | 長さ インチ | ヘッド体積 | シャフト | 価格 税込 |
---|---|---|---|---|---|---|
3W | 14.5° | 57.0° | 43.0 | 180cc | TENSEI 1K BLUE 65 / 75 | 66,000円 |
※ GT1 3TOUR FAIRWAYは、3番ウッド専用モデルで先に発売されたGT1フェアウェイメタルとは違うモデルです。


今回試打したのは、タイトリスト GT1 ツアーフェアウェイ。
GT1 3TOURフェアウェイはアドレスしたときに「これなら確実にボールが上がる」と感じさせる見た目になっています。
GT2よりはやや大きく、GT1とほぼ同じ大きさですが、フェース厚はやや薄めです。
3番ウッドのみの設定で定番モデルGT1の3番ウッドよりもややたったロフト設定(14.5度)。
ツアーモデルらしい引き締まった形状で、実際に打ってみると「操作性」と「球の拾いやすさ」が際立つ一本でした。
GT1の形状と打ち出しやすさはそのままにスピン量を最適化したモデルがGT1 3TOURです


スピン量を最適な数値に抑え、飛距離性能を高めたということですが、私が試打した感じでは飛距離は安定しているものの、極端に伸びる印象はありませんでした。
バックスピンは適度にかかり(ソール前後のウェイトで調整可能)、左右の曲がりが少ない。
ヘッドスピードの速い、中〜上級者に支持されそうなモデルです。
この記事では、
「現場のフィッター」としてのリアルな目線で、クラブが持つ本当の魅力をお伝えしていきます!
他メーカーの魅力的なフェアウェイならこちら👇
シャローフェースと低重心で高く遠くへ飛ばせるGT1 3TOUR


第一印象は「ノーマルGT1よりスッキリしてる」。でも、GT2よりは少し大きいかな。
タイトリストは他にGT2、GT3フェアウェイウッド、GT280ミニドライバーを発売しているのに、なぜGT1 3TOURを出したのかは謎です、、、
それほど、GT1のスプーン(3W)がツアー選手にとって安心感があったのでしょう。
純正シャフトにTENSEI 1K BLUEを採用しているということは、中級者〜上級者をターゲットにしたモデルですね。
実際に構えてみると、ややシャローフェース、スクエアで「拾いやすそうなのにフックしにくそう」な感じです。
クラブって、構えた瞬間に「安心できるかどうか」が大事。
このGT1 3TOUR、見た目は合格ですね。
GT1 3 ツアーフェアウェイ ロフト 14.5度 シャフト TENSEI 1K BLUE 65 フレックスS 試打
マットの上から直にショット。



ヘッドスピード | ボール初速 | 打ち出し角 | バックスピン | サイドスピン | キャリー | 飛距離 | |
1球目 | 43.7 | 61.9 | 12.3 | 3637 | 105 | 212 | 222 |
2球目 | 42.3 | 62.1 | 13.6 | 3436 | -100 | 215 | 225 |
3球目 | 43.2 | 61.4 | 9.6 | 3510 | -204 | 205 | 220 |
平均 | 43.1 | 61.8 | 11.8 | 3528 | -66 | 211 | 222 |
- ヘッドスピード:43.1m/s前後
- キャリー:約205〜215y
- トータル:220〜225y
といった結果。
サイドスピンはあまりかからず曲がりが少ない。
バックスピンは適量で、狙い通りの弾道が打てる印象です。
重心の位置が低いので薄めのあたりでも難なく拾ってくれます。
これがGT1 3TOURを選ぶ理由、やさしいんです。
芯を捉えたときに「バシッ」と気持ちよく抜ける感触。
打音もおとなしく、打感が柔らかく感じます。


純正シャフトのTENSEI 1K BLUE 65は中調子で捩れの少ないしっかりしたシャフト。
ドライバーのヘッドスピード43m/s以上は欲しいですね。
ティアップしてTENSEI 1K BLUE 75シャフトを試打

ヘッドスピード | ボール初速 | 打ち出し角 | バックスピン | サイドスピン | キャリー | 飛距離 | |
1球目 | 42.4 | 61.3 | 16.1 | 3407 | -448 | 223 | 233 |
2球目 | 41.5 | 60.8 | 16.5 | 3761 | -54 | 221 | 231 |
3球目 | 42.2 | 61.3 | 15.7 | 3520 | -134 | 223 | 233 |
平均 | 42.0 | 61.3 | 15.7 | 3520 | -134 | 223 | 233 |
打ち出しが高いですね。
飛距離は233ヤード、よく飛んでいます。しかも、曲がりません。
ヘッドの直進安定性が抜群です。
シャフトはTENSEI 1K BLUE 75(75g)、重量感はありますが、ガチガチの硬いシャフトではありません。
癖がないので振りやすい。
ただし、ティーアップすれば十分打てましたが、地面から打つ場合はさらにヘッドスピードが必要です。
ドライバーのヘッドスピードで44m/s以上は欲しいですね。
GT1 3TOURフェアウェイウッド 特徴 スペック
通常の3番ウッドと比べると、
- 弾道の高さ:やや高め(でも強い球)
- 曲がり幅:かなり小さい
- 使いやすさ:構えた時の安心感、打点の広さがある
ドライバーが苦手なゴルファーの「ティーショット」にも大きな助けになります。
良い点 | 説明 |
---|---|
高弾道&低スピン | 14.5°というツアー向け強ロフトと低重心設計により、高く飛びながらスピンを抑えた強弾道を実現 |
浅いフェース形状で打ちやすい | シャローなヘッド形状により、薄めのライからでも簡単に打ち上げることが可能 |
調整可能なデュアル・ウェイト | フェース前方/後方に配置できるウェイトで、低スピン&球速重視や、打ち出し高&許容性重視など自由に調整可能 |
内部ホーゼルの設計最適化 | 内部ホーゼルの改良により余剰重量を活用し、打感・弾道特性・操作性すべてが向上 |
ツアープレーヤーに採用されている信頼性 | PGAツアーでも多くの選手が実戦投入。ツアーで信頼される性能であることを裏付け |
悪い点(考えられる注意点) | 説明 |
---|---|
価格が高め | 国内価格は税込66,000円、性能に見合うものの高価な設定 |
標準シャフトが重めで、リシャフト必要な場合あり | 重めの純正シャフト設定で、より軽い設定を好むゴルファーはリシャフトが必要になり、追加コストがかかる |
元GT1と比べて弾道が低め | GT1の「高弾道」モデルと比べると、3TOURはあえて低めの弾道設計。元のモデルを重視する人には物足りない可能性あり |
調整機構の理解と操作が必要 | デュアルウェイトやホーゼルなどの調整機構は強みだが、最適化には知識や経験が求められる点で、設定に戸惑うゴルファーもあり得る。 |
「私たちは、すべての製品開発においてツアープレーヤーの声を重視しています。GT1フェアウェイメタルのテスト中、一部のプレーヤーはそのシャローなフェース形状を非常に気に入っていましたが、もう少しロフトが立っていてスピン量を抑えられるモデルを求めていました。そこでR&Dチームが開発したのが、GT1の形状と打ち出しやすさはそのままに、スピン量を最適化したGT1 3TOURです。実際にツアーでの投入後は、浅重心かつ打ち出しやすい設計を好む多くのプレーヤーから支持を得ています」
― JJ・ヴァンヴェゼンビーク(タイトリスト クラブプロモーション部門 シニアディレクター)
ヘッドスペック、シャフト重量をチェック


ヘッドソール部分前方と後方に可変ウェイトが装着(標準設定では前方11g、後方3g)
公式スペックをもとに、主な特徴を整理すると:
クラブ長さ(インチ) | 43.0 | |
---|---|---|
ヘッド体積(cm3) | 180 | |
ロフト角(°) | 14.5 |
シャフト、グリップ


モデル | TENSEI 1K BLUE 65 | TENSEI 1K BLUE 75 | |
---|---|---|---|
シャフト重さ | 65g | 75g | |
シャフトトルク | 3.9 | 3.9 |
打ち出し角 中間
グリップ
TITLEIST UNIVERSAL 360 バックライン無し
約50g 口径60
まとめ ツアーで評判 GT1 3TOUR フェアウェイウッド


価格 ¥66,000円(税込)
タイトリスト GT1 3TOUR フェアウェイは、飛距離性能だけを追い求めたクラブではありません。
むしろ「狙ったラインに安定して打ち出せる直進性」と「ツアーモデルらしい操作性」が光る一本です。
ドライバーに不安を感じているゴルファーにとっては、ティーショットの強力な選択肢になり得ますし、フェアウェイからも拾いやすい形状は武器になります。
ただし、ヘッドスピードや求める弾道によって評価は変わるため、実際に試打して“自分に合うかどうか”を確かめることが一番大切です。
フィッターとしての率直な印象は、「誰にでもやさしい3W」ではなく、「必要とするゴルファーにとって欠かせない一本」。それがGT1 3TOURの本質だと思います。
📌 選び方アドバイス
GT1 3TOUR フェアウェイは、確かに扱いやすさと直進性を兼ね備えたモデルですが、「どんなゴルファーにも万能」というわけではありません。選ぶ際には次のポイントをチェックしてみてください。
- ヘッドスピードの目安
ドライバーでヘッドスピードが43m/s以上あると、このクラブの持ち味である強弾道と安定感を引き出しやすいです。ヘッドスピードが不足すると球が上がりにくくなる可能性があります。 - 弾道の好み
高弾道でラクに飛ばしたい人よりも、低スピンの強い弾道でラインを出したいゴルファーにおすすめです。 - モデル比較の参考
高弾道とやさしさならGT1(ノーマル)、直進性重視ならGT2、操作性重視ならGT3。
GT1 3TOURはその中で「やさしさと強弾道」を求める層に向けた位置づけです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
- QGT1 3TOUR フェアウェイは初心者でも使えますか?
- A
基本的には中級者以上をターゲットとしたモデルです。ドライバーのヘッドスピードが43m/s以上あると性能を発揮しやすく、球の強さや直進性を求めるゴルファーに向いています。初心者には通常のGT1フェアウェイの方がやさしいでしょう。
- Q通常のGT1フェアウェイとの違いは何ですか?
- A
GT1 3TOURはロフト角が14.5°とやや立っていて、スピンを抑えた強弾道が特徴です。ノーマルGT1は球が上がりやすい高弾道設計なので、「高さ重視」か「強弾道重視」かで選ぶとわかりやすいです。
- Qシャフトはどれを選べばいいですか?
- A
純正シャフトは「TENSEI 1K BLUE 65/75」。どちらも癖が少なく素直に振れるシャフトですが、65gは扱いやすさ重視、75gはドライバーのHS44m/s以上の方におすすめです。
- Q他のモデル(GT2・GT3)との比較ポイントは?
- A
GT2は直進性重視、GT3は小ぶりで操作性重視。GT1 3TOURは「やさしさ+強弾道」のバランス型です。ドライバーが安定しないけれど攻めのティーショットをしたい方にも最適です。