フェアウェイウッドは「ティーショットなら何とか当たるものの、フェアウェイからはトップやダフリばかり…」と悩むゴルファーが非常に多いクラブです。
特に3番ウッドは難易度が高く、バッグから抜いてしまうゴルファーも少なくありません。
ところが近年のフェアウェイウッドは設計が大きく進化し、やさしさと飛距離性能を両立したモデルが数多く登場しています。
選び方を間違えなければ、“苦手を得意に変えるFW”に出会える時代になりました。
この記事では、25年以上のフィッティング経験を持つ私が実際に試打した主要5モデルを取り上げ、特徴・性能の違い・合うゴルファー層を徹底比較します。
「自分に合うフェアウェイウッドを探したい」という方に、きっと参考になるはずです。
キャロウェイ ELYTE / ELYTE X フェアウェイ


- 特徴
- Ai 10x FACE 搭載で打点ブレに強く、着弾のばらつきを抑えやすい。
- 浮いたタングステン・スピードウェーブ と ステップソール で、トップ気味やライの悪い場面でも球を拾いやすい。
- W#3 / W#3HL のみ可変ホーゼル対応。その他の番手は固定式。
- 丸みのあるシャロー形状。
- 弾道は高めでスピンもしっかり入る → グリーンで止めやすい球が打てる。
- 番手は W3 / W3HL / W5 / W7 / HEAVEN(20°) / W9 / W11(※HEAVEN、W9、W11は受注生産)。
- 前後長がやや長い安心感あるヘッド形状。
- ヒール肉厚化によるドローバイアスで強いつかまり。
- 弾道はさらに高く、球を上げる力が非常に強い。
- 番手は W3 / W3HL / W5 / W7。
- 対象ゴルファー
- ELYTE:高弾道でグリーンを止めたい、ラフや傾斜から浮かせたい。
- ELYTE X:スライスに悩む、より高い打ち出しを求める。
- 試打メモ
- HS44m/s前後では純正VENTUS GREEN 50だとややばらつきあり。
- TENSEI GREEN 60など少し重めシャフトの方が安定。
- 詳細レビュー:ELYTE / ELYTE X フェアウェイ試打レビュー
PING G440 MAX フェアウェイ


- 特徴
- 高MOI設計で打点ブレに強く、直進性が高い。
- フェアウェイからでも安定感があり、打音・打感も心地よい。
- “曲がらないFW”として安心感を持って振れる。
- 対象ゴルファー
- 方向性を安定させたい
- FWを多用する中級者
- ミス許容度を重視するゴルファー
- 詳細レビュー:PING G440 MAX フェアウェイ試打レビュー
スリクソン ZXi フェアウェイ


- 特徴
- 低重心設計で球が自然に上がりやすい。
- 打感はソリッドで心地よく、ミスにも強い。
- 寛容性と操作性のバランスが高次元でまとまっている。
- 対象ゴルファー
- 球が上がらない
- 初中級者から競技志向まで幅広い層
- 操作性とやさしさを両立させたい
- 詳細レビュー:スリクソン ZXi フェアウェイ試打レビュー
ヤマハ インプレス DRIVESTAR フェアウェイ


- 特徴
- シャローフェース設計で球を上げやすい。
- 強いつかまりと直進性があり、安定感に優れる。
- やさしさを前面に押し出した設計。
- 対象ゴルファー
- ゴルフ歴が浅い
- 中高年層で楽に球を上げたい
- 安定感を最優先したい
- 詳細レビュー:DRIVESTAR フェアウェイ試打レビュー
タイトリスト GT2 / GT3 フェアウェイメタル


- 特徴
- ツアープロ使用率が高い本格派モデル。
- GT2:直進性重視。安定して飛ばせる。
- GT3:操作性重視。球筋を自在にコントロール可能。
- 打感・打音も上質で、競技ゴルファー好み。
- 対象ゴルファー
- 中上級者
- 弾道を打ち分けたい競技志向プレーヤー
- 打感や操作性にこだわる
- 詳細レビュー:GT2 / GT3 フェアウェイレビュー
5モデル比較表
モデル | やさしさ | 弾道の高さ | つかまり | 操作性 | 対象ゴルファー | 特徴・補足 |
---|---|---|---|---|---|---|
ELYTE | ◎ | 高 | ○ | ○ | 中級〜上級 | 高スピン寄りで止めやすい球 |
ELYTE X | ◎ | かなり高い | ◎(ドローバイアス) | △ | 初中級〜中級 | つかまり強めで高打ちし 前後長が長めの安心形状 |
G440 MAX | ◎ | 中 | ○ | △ | 中級者 / 安定志向 | 高MOIで直進性に優れる |
ZXi | ○ | 高 | ○ | ○ | 中級〜競技志向 | バランス型球が上がりやすく操作性もある |
DRIVESTAR | ◎ | 高 | ◎ | △ | 初心者 / 中高年向け | シャロー形状で楽に上がる |
GT2/GT3 | △ | 中〜高 | △ | ◎ | 中上級者 / 競技志向 | 操作性・打感重視 ツアー系モデル |
FAQ|フェアウェイウッド選びでよくある質問
Q1. フェアウェイウッドは何番から入れるべき?
A. 初心者やFWが苦手な人は、まずは5番ウッドから始めるのがおすすめです。3Wはティーショット専用になりやすく、難易度が高いためです。
Q2. フェアウェイウッドとユーティリティはどちらを優先すべき?
A. 球を高く上げ、飛ばしたいならFW、ラフからの抜けを重視するならUTです。両方揃えるとセッティングの幅が広がります。
Q3. ヘッドスピード(HS)が遅いとフェアウェイウッドは難しいですか?
A. HS35〜38m/s程度なら、ELYTEやDRIVESTARのようなシャローフェース&軽量設計がおすすめです。やさしさ重視のFWなら十分対応可能です。
Q4. 上級者でも“やさしいモデル”を選んだ方がいいですか?
A. スコア重視ならやさしいFWは武器になります。ただし球筋を打ち分けたい競技志向ゴルファーなら、操作性を重視したGT3などが適しています。
Q5. ELYTEのHEAVENウッドとは?
A. 20°ロフトで長尺設計の“飛び系FW”。高弾道でキャリーを伸ばせるうえ、止まりやすい球が打てるのが特徴です(受注生産)。
まとめ


フェアウェイウッドは「自分に合ったやさしさ」と「用途に応じた特性」を見極めることが重要です。
同じフェアウェイウッドでも、やさしさ・弾道の高さ・つかまり・操作性はモデルによって大きく異なります。
まずは自分がクラブに求める要素を整理し、そこに合致するモデルを選ぶことでプレーは格段に楽になります。
- 初心者・安定重視 → ELYTE / DRIVESTAR(やさしさ最優先、球が上がりやすく安心感がある)
- 直進性重視 → PING G440 MAX(曲がりを抑えたい人に最適)
- バランス型で幅広く使える → スリクソン ZXi(上達段階に合わせて長く使える万能モデル)
- 操作性・上級志向 → タイトリスト GT2 / GT3(弾道を打ち分けたい競技志向ゴルファー向け)
フェアウェイウッドは、ティーショットの武器にもなり、長いセカンドを狙う頼れるクラブにもなります。
逆に苦手なままだと、3打目・4打目が残りやすくスコアメイクに直結する部分です。
だからこそ、自分に合う一本を選ぶことが何より大切です。
今回紹介した5モデルは、どれも最新設計で「やさしさ」と「性能」を兼ね備えています。
この記事を参考に、自分のスイングタイプやラウンドスタイルに合わせて最適なフェアウェイウッドを見つけてください。
きっとこれまでのゴルフが大きく変わるはずです。